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“Rapido” 自作スピーカープロジェクト: その2: ユニット特性SPL、フィルター設計など

2010 年 8 月 11 日 miyashita コメント 4 件

バッタバタで圧倒的開発が遅れている32周年記念自作スピーカープロジェクト”Rapido”のその2です。誕生日も毎年のことながら余裕で通過しました(苦笑)。本プロジェクトの過去の内容は、“Rapido”カテゴリーをご覧ください。

Rapidoは、2ウェイのブックシェルフスピーカーになる予定です。理由は、私がフロア型、トールボーイ型よりもブックシェルフ型が好みだからです。
あれだけ好きだったクラシックは大学学部時代位からあまり聴かなくなりました。理由は私の好きなマエストロは録音が古く、その頃の録音をそれなりにちゃんとしたオーディオシステムで聴くと、音が悪すぎて気持ち悪くなってしまうからです。そういう意味では現代のクラシックの演奏を聴けば良いのですが、最近はヴォーカルを含むJazzばかりで、気合いを入れて聴くというよりはBGMとして聴くといったスタイルです。
そういうスタイルですと、どうもトールボーイなどで聴くのは重すぎて好きになりません。ブックシェルフ型のスピーカーをピリっと慣らす方が心地よく感じています。

さて、”Rapido”では、

高音部: Tweeter : Fountek NeoCD 3.0 リボン型
中・低音部:Mid Woofer : Accuton C173-6-096

のユニットを選択しました。この2つのユニットは価格差がありすぎて、価格の面からすればバランスが悪いのですが、NecCD 3.0はMonitor Audio PL-100に近いユニットであること、またデータシートの性能(を信じると)を見る限りとても良い特性を示しているため採用に至りました。
Accutonは、高性能ユニットメーカーとして相当有名です。超高級スピーカーなどでScanSpeak, SEAS, AudioTechnologyなどと並んでよく採用されるユニットメーカーです。NeoCD 3.0が高能率のユニットですので、能率が高いミッドウーファーを選択しました。それがC173-6-096です。海外から納品されて空中で鳴らしてみましたが、ピリっと軽くとても良いユニットである印象です。

さて、スピーカーユニットの性能は、T/Sパラメーター(Thiele/Small Parameters)という指標で性能を評価されることが多いです。まさにThieleさんとSmallさんが考えたものですが、何十年経った今も頼りにしている指標です。そのT/Sパラメーターやデーターシートから読み取れる性能から、パッシブなディバイディングネットワーク、すなわちフィルターの設計を行います。人間が一般的に聞き取れる周波数帯域は20Hz ~20kHz位です。この帯域を、2つのユニットで鳴らすわけですが、アンプからの出力信号を低音部・高音部に分けてユニットに入力しなければなりません。


図1: 2つのユニットの単体の音圧の周波数特性

図1で示す様に、今回は2750Hz程度のカットオフ周波数で高音・低音に分けることにします。2つのユニットの仕様をみてもこの位の周波数を推奨しています。


図2: 理想的なフィルター

図1の状態から図2の様にばっつり高音・低音にカットできれば良いのですが、現実はかなり困難です。以前作った30周年記念スピーカーでは、この部分に多段タップのFIRディジタルフィルタで急激なフィルタを施しましたが、何せ音が良くない!今回は、デジタルフィルタを使わずに典型的なアナログのパッシブフィルタを用います。そこで、


図3: 3次のフィルター(-18dB/oct)

図3は、高音部にハイパスフィルター、低音部にローパスフィルターをそれぞれ3次のパッシブフィルターを施したものです。この3次のフィルターを実現すべく、コイルやコンデンサを使ってフィルタ回路を設計します。


図4: コイル・コンデンサは、デンマークのJantzen Audio製を採用しました。日本ではあまり売っていないメーカーで、売っていたとしても下位グレードの物です。今回採用した物は、Superior Z-capシリーズというもので、Jantzen Audioでは上から2番目のグレードです。トップのZ-Silverシリーズは、さすがに高すぎてとても買えません(1本5000円!!!)。Jantzenは、海外通販+円高効果でうまくやればかなり安く購入できます。Jantzen Audioは本当に品質が良く、このコンデンサも外装がつるつるで綺麗です(音には関係ありませんが・・・)


図5: Rapidoフィルタ回路

図5のような基板を開発します。普段FPGAの回路などを作っているので、ドが付くほど簡単な回路です。ささっと設計しました。


図6: 同じくRapidoのフィルタ回路です。

* コメント欄でのご指摘の通りコイルに角度を付けて配置する必要がありますね。

さて、今回のエントリーでは、Rapidoプロジェクトのユニット特性および、フィルター設計について紹介しました。
開発がかなり遅れていますが、これからスピーカーの箱(エンクロージャー)の設計です。はやく仕上げないと・・・・。

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(無謀)新自作スピーカー開発プロジェクト”Rapido”スタート

2010 年 7 月 5 日 miyashita コメント 2 件

平日も週末もタスクが山積みの中、平行して新自作スピーカー開発プロジェクトをスタートさせています。ぶっちゃけ、去年の31周年記念スピーカー(ライティングレール遠隔スピーカー)は、重量が重くなりすぎてしまい、完成に漕ぎ着けませんでした。先日の自作腕時計も含めて風呂敷だけ広げる状況が続いていますが、本プロジェクトは少しずつでも平行して進めて行きたいと思います。

さて、今回の目指すスピーカーは、とにかくハイスピードで、ピリッ、ピシャッといったイメージのスピーカーです。その為、速さ(迅速)を示すエスペラント語:”Rapido”をプロジェクト名にしています。

目標のスピーカーは、先日のブログで紹介した英国Monitor AudioのPL-100です。先日のブログでも紹介しましたが、PL-100のスピード感、音場の広さは驚異的でして、何とかあの素晴らしいスピーカーに近づくものを目指して作ってみたいと思っています。従って、スピーカーとしては、2ウェイ(高音:ツィーター+中低音:ミッドウーファー)構成のブックシェルフスピーカーとなります。ユニットは既に決定しており、しかも輸入も完了しています。

◆高音部:ツィーター:Fountek NeoCD 3.0 Ribbon


このユニットは、実際にMonitor Audio PL-100に載っているものに極めて近いユニットです。海外のサイトの自作スピーカーフォーラムを参照すると、このユニットのもう少しスクリーニング(改良も?)したユニットが実際にPL-100に使われているようです。中国製(=だめなわけではない)で安価なユニットで本当に大丈夫が不安ですが、PL-100狙いということで、採用しました。

◆中音・低音部:ミッドウーファー: Accuton C173-6-096


かなりミッドウーファーには奮発しました。というのは、PL-100を聞いたときにもちろんツィーターのリボンも鮮烈だったのですが、何よりも亀の甲羅の様なミッドウーファーの圧倒的なハイスピード感と広がりでした。あのミッドウーファーは本当に感動的で何とか同じユニットを使いたいと思うのですが、あのユニットはMonitor Audioの内製でとても購入できません。そこで、Audio Technology, SEAS, Scan-Speak, RAVEN, RAALなどと並んで、ハイエンドユニットメーカーであるAccutonのミッドウーファーを採用しました。このユニットもとても能率が高く、ハイスピードな印象であると仕様表から推測して採用しました。実際に納品後、床置きで鳴らしてみたところ大変素晴らしい音をしており、少なくともB&W Nautilus 805のミッドとは違った、特に広がりを持っている印象です(あくまで個人的な感想)

次回の本プロジェクト記事では、2つのユニットの特性・仕様などをもう少し紹介します。まずは、記念撮影したユニットの写真の紹介。

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新macminiをリビングPCとして使い、ベルリンフィルハーモニーを高音質で楽しむ。

2010 年 6 月 19 日 miyashita コメント 6 件

iPhone4, iPadと調子の良いAppleですが、iPhone4発売前の熱気の裏で、しれっと新しいmacmini(MC270J/A)を発表しました。今回のエントリーでは、このmacminiを家庭用ハイヴィジョンTVに繋ぎリビングPCとして使い、高画質・高音質でとても素晴らしいオンラインのベルリンフィルハーモニーの演奏を楽しんでみようと思います。あと実際のmacminiの消費電力も測ってみようと思います。

まず、macminiが届きました。旧機種も使っていましたが、一段と薄くなり、煩わしかったACアダプターが内蔵されました。驚異的な薄さと小ささです。恐るべしapple・・・。

今回のmacminiは、机の上に液晶ディスプレイを置いて”パソコン”という使い方ではもはや面白くありません。HDMI出力が搭載されたため、むしろ家庭用のハイヴィジョンテレビに接続すべきパソコンです。いわゆるリビングPCというやつですね。早速HDMIで、Bravia (KDL-52W5)に接続して電源をONしたところ、全く問題なく1080p (FullHD)で映りました。Full HD (少し前の日本の表現でフルスペックハイヴィジョン)対応でHDMI端子を持つハイヴィジョンテレビをお持ちの方は問題なく認識すると思います。Dot by Dot表示で、若干細かい文字などは若干シャギーがありますが、少し離れれば全く問題ありません。ワイヤレスのキーボード・マウスがあれば、リビングで大型TVで見るまさにリビングPCとなります。画面も大きく大変おすすめです。

さて、私の目的は、大変すばらしいコンテンツである、ベルリンフィルハーミニーのオンライン配信サイト「Digital Concert Hall」を、このリビングPCで見ることです。大型TVで見ることで、(もちろん生演奏には勝てませんが)、臨場感も強く、素晴らしい演奏を楽しめるはずです。Digital Concert Hallに関しては私の過去のブログをご覧ください。

結論として、完璧でした。しっかりとベルリンフィルの演奏を楽しむことができています。実際には部屋のライトを消して楽しんでいますが、臨場感もあり良い感じです。

システムを少し解説します。

コンテンツ: ベルリンフィルハーモニー -> インターネットネット(オンライン:有料) -> macminiからアクセス
映像: macmini -> HDMIケーブル -> Sony Bravia KDL-52W5 (1080p)
音声: macmini -> S/PDIF -> Denon DCD-1650SE (DACとして利用) -> Denon PMA-2000AE (プリメインアンプ) -> B&W N805 (スピーカー) or 自作スピーカー
音量遠隔制御: iPad (オリジナルアプリ) -> Wi-Fi -> Arduino + Ethernet Shield -> ダーリントンシンクドライブ回路 -> ステッピングモータ -> ボリューム回転
(音量遠隔制御に関しては、このブログの過去の記事:iPadでプリメインアンプの音量を遠隔制御するシステムを作ってみた。をご覧ください。

音声は、macminiからS/PDIFで光デジタルで取り出し、高音質でとてもお気に入りのDCD-1650SEをDACとして使い、プリメインアンプに投げています。HDMI経由でAVアンプでも音はでますが、私の持っているAVアンプでは、残念極まり無い音質で却下です(AVアンプはそもそも使っていない)。HDMIは私は映像にしか使っていません。音声は、とにかくDAC + プリメインアンプじゃないと納得していません。

もちろん、macminiでなくとも、同じシステムは構築できますが、今回のmacminiは消費電力が少ないため、本体からのファン音などはほとんど聞こえません。PCの動作音がうるさければオケには向かないので、そういう意味でもmacminiをリビングPCで使う、更にベルリンフィルを楽しむのはお勧めです。

さて、ベルリンフィルを試聴中のmacminiの消費電力を実測してみました。


ベルリンフィルハーモニーを試聴中の消費電力:26W

macminiの消費電力は試聴中は26Wで、何もしていないときのアイドル時は、8~10W程度という大変小さいものでした。
先日紹介した、Core i3-530ベースのWHSサーバーがHDD x4本とはいえ、約50Wですから、macminiは相当小さい電力で動いています。

2010/06/22 : 追記:
BRAVIAで上下左右の縁がちゃんと表示されるかコメントがありましたので、写真をアップします。
結論からして、全く問題なく表示されていると思います(実際には縁が表示されない現象がどんなものがわかりません。dot by dotでちゃんと表示されています)
http://spacewalker.jp/mt/spacewalker/wp-content/uploads/2010/06/20100622_macmini_bravia.jpg
http://spacewalker.jp/mt/spacewalker/wp-content/uploads/2010/06/20100622_macmini_bravia2.jpg

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B&W 805 DiamondとMonitor Audio PL-100を試聴した感想。

2010 年 5 月 30 日 miyashita コメント 8 件

タイトルでピンとこない方は、ニッチな世界ですので、スルーすべきエントリーです。

英国の音響メーカー B&W (Bowers & Wilkins)の最新スピーカー805 Diamondを某所で試聴する機会がありました。

同じお店に、同じく英国のMonitor Audio製PL-100も置いてありましたので、(個人的に好きなスピーカー達なので)、比較試聴してみました。

私の部屋には、この805 Diamondの2世代前にあたるNautilus 805というスピーカーが置いてあり、とても気に入っているスピーカーです。805シリーズは、Matrix 805 ->Nautilus 805 -> 805S -> 805 Diamond (途中で805 signatureという特別モデルはあった)と発展を続けてきています。名前の通り、トゥイーター(高音部ユニット)にダイアモンドを用いているスピーカーです。この805を含め、800シリーズはB&Wの(特別モデルを除いて)トップレベルシリーズにあたるもので、805はその中でも一番安いモデルとなります(1本30万円位)。安いからといって、一番へぼいかというとそうではなく、805だけがブックシェルフスピーカーで、804, 803, 802, 800の兄貴分にあたるモデルはトールボーイスピーカー(フロア型と言うべきか)となります。私は、すっきり・ピリっとした音の傾向が好みで、トールボーイの低音がっつりのスピーカーはあまり好きではありません。そういう意味で、805は代々注目してきています。何せB&Wの音の傾向も好みでして、805はまさに私の中のリファレンススピーカーとして、常に部屋に置いてあるスピーカーです。Nautilus 805から805sの時は、少し高音部(つまりツィーター)が速くなって良い感じではありましたが、買い換えるほどのインパクトではありませんでした。
さて、今回の805 Diamondですが、とても良い感じでした。具体的には、ウリのダイアモンドツィーターももちろん良いのですが、ミッドのユニットがとてもピシャ、パシッという感じですっきりした感じで歯切れも良く、なんというか音が真ん中のすっきり、ぴたっとまとまるような本当に優秀な音でした(こんなんじゃ伝わらねーな(笑))。ワインソムリエの様な表現力が欲しいところですが、とにかくミッドが優秀だと思いました。フェイスプラグは、Signature Diamondを踏襲しているっぽいし(たぶん)、すごくまとまった音でした。ウリのダイアモンドツィーターですが、今までのアルミよりも高剛性・高硬度ということで、高音側の固有振動数が上がったみたいですね(資料を読む限り・・・)。自作でスピーカーを作ればわかるのですが、金属素材によって当然硬さに違いがあり、高音部(具体的には5kHzを超えたあたりから)、音圧f特が暴れ出します。ダイヤモンドを採用したことで、固有振動数の増加と、その暴れるp-pのレンジが少し下がったようですね。で試聴した結果では、ミッドの良さもあってか、とにかくしっかりと止まる。しっかりとおさまる。出るときはハイスピードで出るという感じでとても上品な音でした(この感想だと、ダイヤを採用した利点と一致しないのですが・・)。とにかく、ミッドとトゥイーターあわせて、とても良くまとまっていて、所有のNautilus 805より洗練された印象でした。素晴らしい完成度。結構差があったので、買い換えに値する進化を遂げていると思いました(高くてすぐには買い換えられませんが)

さて、過去のブログでも紹介しておりますが、B&W 805シリーズの他に個人的に好きなスピーカーがMonitor AudioのPL-100です。これも2本で50万円強ですから結構高級スピーカーです。結構というのは、スピーカーの世界には1000万を超えるスピーカーも多々ありますので、その変態の世界から見れば”結構”なのです。私の様な自作スピーカー人にとってはもちろん超高級です。
PL-100は、高音がリボンツィーターなので、そもそも高音部の音の出し方が805 Diamondとは方式が違います。また、両方ともブックシェルフで体積はだいたい同じではありますが、バスレフダクトが805は前、PL-100が後ろという違いもあります。バスレフ方式は、ヘルムホルツの共振を使って低音部を補強する方式で、現代では一番オーソドックスなエンクロージャー(スピーカーBOX)デザインと言えますが、理論的にはダクトはどこにあってもOKです。しかし、今回の比較でダクトの位置は結構重要だなと実感しました。
さて、試聴した感想ですが。やっぱりPL-100もすごかったです・・・。805 Diamondが先述の通り、中央にぴしゃっと上品にまとまる上質な音という印象に対して、PL-100はすぅーーーとぱっと広がり、だけどリボンとあのハイスピードで軽いミッドの恩恵からでしょうか、ものすごく広がるけど重くない音場という印象でした。なんでこんなに歯切れが良いのかと感心してしまいます。ミッドも本当に軽くて優秀なユニットです。正直言ってしまうと、PL-100の方が私は良い感じかな?と思いましたが、これは好みがあると思うので、是非この2本のスピーカーを比較試聴してみると面白いと思います(値段的にも良いライバルですし)。先に述べたダクトの位置ですが、やはりダクトは後ろにあったほうが音場の広がり的に良いんじゃないかと思いました。この2本はかなり高音質なレベルでの差ですので、甲乙というより好みだと思います。
805 Diamondをお店で見つけたときに店員さんが、”これ、やばいっす”みたいな感じでチャラく話しかけられました。サンプルが入ってきたばかりの805 Diamondをアピールしてくれましたが、どうやら新人さんの様でPL-100と比較したことがなかった様でした。私がPL-100と比較したいと申し出て、実際に店員さんも聞いてみて、”このスピーカーはんぱないっすね”と、またまたチャラく返してくれました(笑

個人のスピーカーの批評なんぞ、これほど怪しいものはなく、また好みもあるものですから、鵜呑みにせず是非ご自身で試聴されることをお勧めします。お金が余って、だけど高音質なスピーカーを欲しいと思っている方は、この2機種はお勧めです。ちなみに、週末少しずつ開発を進めている次世代自作スピーカーは、このPL-100を再現すべくがんばっております。今回久しぶりに試聴してまたモチベーションが沸いてきました。

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iPadでプリメインアンプの音量を遠隔制御するシステムを作ってみた。

2010 年 4 月 24 日 miyashita コメント 6 件

今回のエントリーは、iPadとArduinoを用いて、部屋のオーディオ用プリメインアンプ(Denon PMA-2000AE)のボリューム(音量)を遠隔で調整する雑システムの紹介です。

不満: 私の部屋のプリメインアンプは、リモコンが付いておらずベッドに寝っ転がって音量調整ができない!
目的: iPadなどの携帯端末を使って遠隔で音量(ボリューム)の調整をする。
方法: ネットワークベースの組み込みマイコンを使ってモータを制御し、直接ボリュームヘッドを回す。

百聞は一見にしかず。とりあえず、動画を撮りましたのでご覧ください。


超雑に開発したiPadアプリ(iPhone SDK 3.2使用)。プリメインアンプのボリュームの部分を写真で撮って、アプリの壁紙に貼っているもの。
ボリュームの部分を指でクルクルして調整するようなiPadらしいコントロールはできない
あくまで、”+” , “-”のボタンを押してボリュームを調整するという手抜き簡易プログラム。


左下が、Arduino + Ethernet Shield。
上のブレッドボードには、4chのダーリントンシンクドライバ(TD62064APG 2個入りで200円@秋月)
ギア付きステッピングモータSPG20-310(4相ユニポーラ。980円@千石)


プリメインアンプに取り付けた様子。
Arduinoには、Ethernetケーブルが接続されていて、IPアドレスを持っています。中でhttpd (いわゆるウェブサーバ)を立ち上げており、HTTPアクセスが来たときに何かアクションを起こすようになっています。
ウェブサーバーの特定のアドレスにアクセスがあったときに、ステッピングモータのパルスを発生して、一定の角度だけ正転・逆転を行うようにして、直接ボリュームヘッドを回しています。
今回は、iPadからそのHTTPアクセスを発行して、モータを制御しています。
ご覧の通り、セロテープ貼りまくりの突貫工事です。この状態ですと、逆に手でボリュームが調整できなくなってしまいました・・。簡単にモーターが取り外しできるジグなどを今後作る予定です。あと回路もブレッドボードからちゃんと半田付けしなくてはいけませんね。

モータとドライブICで1000円ちょっと(Arduino系は除く)で目的のボリューム制御ができるようになりました。実際には、httpアクセスができれば良いので、ウェブブラウザでもボリューム制御ができます。とりあえず、音量調整ができない不満とiPadアプリを作ってみようということで、突貫工事で作ったシステムの紹介でした。

ここからは余談です。
なぜこのご時世にアンプにリモコンがついていないのか?ということですが、今回のアンプは、Denonの中堅アンプでして、それでも割と高額な物です。もっと高価な物はたくさんありますが、高いアンプほどリモコンはなくなります。それは、リモコンの赤外線受光回路・モータ回路などの余計な回路はピュア・オーディオの世界には御法度で、”余計なノイズ源は一切排除するという”、いわば宗教的とも言える理由に寄るものです。実際に信号レベルで見れば、リモコンの受光回路、およびモータの回転にともなうノイズはもちろん存在する訳ですが、うまく作れば人間の耳で検知できるレベルのものではありません。私なんかから言わせれば、”ノイズ排除信仰”は余計なお世話でして、躊躇せずにリモコンをつけてほしいと思っています。実際にこのアンプのリモコンなしに対して結構要望があったようで、後継機のPMA-2000SEではリモコンが搭載されました。今回私が作ったシステムも、2000SEに買い換えれば済んでしまう話なのですが、このクラスのプリメインアンプはぶっちゃけ技術的に成熟しており、2000AE -> 2000SEの変化で音質の違いがあるとは到底思えず、リモコンだけのために買い換えるのは躊躇してしまいます。その為今回、自作のリモコンシステムの開発に至ったわけでした。

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