”おくりびと”がアカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞したのは記録に新しいですが、今年はアルゼンチンの”瞳の奥の秘密”(邦題)という映画が受賞しました。この映画が日比谷シャンテシネでやっていたので見てきました。
公式サイト:http://www.hitomi-himitsu.jp/

見終わった感想は、”いろいろな点ですごい映画”でした。カメラワークのスピード感、キャストの演技力(+被害者若奥様の美しさ(笑))、そして何よりも複雑で深い脚本です。
見終わって十数時間経っていますが、振り返ってみるといろいろな意図が映画の場面場面に散りばめられているなと。
おそらく(私も含め)多くの映画に込められたメッセージを見逃している人が多い気がします。
(実際に感想ブログや2chなどを見て、ああ、なるほどと思われる点がたくさんありました)
タイトルも非常に深い(邦題でも)
ネタバレになるため多くは語りませんが、さすがはアカデミー賞を受賞しているだけあり、そこらの映画とはあらゆる点においてクオリティが高い映画ですから銀座(日比谷)にぶらぶらする際には、いかがでしょうか?(9/24には上映が終わっちゃうみたいなんですが・・)
ちなみに映画「告白」がアカデミー賞にエントリーするんでしたっけ?はっきりいって反対です。今年はろくな邦画がないかもしれませんが、あの内容は平和な日本だから、”陰湿だ”と客観的に見られますが、国によってはシャレにならない内容かと。原作者がどこまであの内容を深く考えて書いたかも甚だ疑問です(いじめのツールとして扱っただけじゃないかと)。映画の出来・不出来ではなくあの内容が日本代表作品というのが理解に苦しみます。
リュックベッソンさんが脚本を手がけたフランス映画“Taken” (邦題 96時間)を見てきました。
まず、96時間という邦題を付けた方のセンスに驚かされます。Takenの掴みが悪いと判断したのかもしれませんが、”96時間”というのはさすがにないと思いました。96時間という数字はこの映画において全く重要ではありません。24(Twenty Four)のまねなんでしょうが・・・。
さて、ディアドクター、劍岳の感想ブログで、洋画のアクションは見ないと言っておきながら、Takenを見てきてしまいました。スピード感もあって、主人公が超強く、普通に楽しめました。
さて、Takenの感想はその辺にして、この映画では興味深い発見がありました。
六本木ヒルズの東宝シネマで見ていたのですが、隣に帰国子女だか、ハーフだかの女性が靴を脱いで足を横の席に投げ出して座っていました。投げ出していた席は私が予約した席だったのですが、空き空きだったので、仕方が無く更に隣の席に座ることにしました。
さて、この女性は、もう漫画に出てくる様なコテコテの外国人で、映画の場面場面で、Oh my god, Oh shit!, Oh my gosh, Wowなど連発しまくりでした。映画はテンポ良く人を殺してゆきますから、その度にoh, oh, ohですからうるさくて仕方がありません。脚本がベタなので、どう見てもこのキャラは途中で殺されると見え見えで、やはり殺されると、今日一(今日一番)のOh my god!が出ました(笑) その人物が映画で割と重要なキャラだったのですが、そのキャラの殺害にその女性は泣いておりました。
ディアドクターのブログで、私は邦画が好きであると述べました。それは母国語であり、更に行間を読むことが多い日本語ならではの、考えさせられる映画が好きという理由でした。しかし、隣の女性のリアクションっぷり、およびあの場面で感情移入して泣いてしまう(感動の映画じゃなく、アクションでキャラが殺されたという場面で)のを見ると、やはり英語がネイティブの方は、私が字幕で見ている洋画とは感覚が違うのではないか?という疑問が生まれました。私が仮に英語がネイティブで会ったときに、私が邦画で感じる感覚が、映画”スピード”見ても感じられるのではないかと。まぁ、そればかりは、私がもっと外国語を学ばないと結論が見えませんが、今回は、ああいう外国人もいるんだという驚きと、彼女が特別だったのか?アメリカの映画館ではみんながそうなのか?よくわかりませんが、とても興味深い体験でした。デーブ・スペクターがなぜあんなにつまらないベタなダジャレを連発するのかも分かった気がします。
そういえば、アマルフィも見てきました。アマルフィという土地は映画に全く関係がありませんでしたが、やはりイタリアの風景は素敵ですね。邦画ではアクションをやってはいけないことを証明してしまったくらいお金も掛けていて一生懸命作ったという感じでした。あれだけ豪華キャストでイタリアでやったのですから、アクションは洋画に任せておけば良いというのが分かる豪華な内容でした。ドラマの24などは1話数億掛けているのですものね。アクションは脚本・演出を含めかないませんね。
そういえば、20世紀少年の最終章も見てきました。漫画の忠実再現度は素晴らしかったです。研ナオコの役どころが最高でした。淡々と見ることができました。この映画はディジタル上映だったのですが、今後ディジタル配給が増えていくるのでしょうね。映画の始まる前にDolby-Digital, THXの宣伝がありませんでした。Blu-rayで配給されているのかはわかりませんが、ヒルズの東宝シネマズよりももっと最新の映画館では、Dolby True HD対応などが始まっているのかもしれませんね。
予告でやっていたのですが、山崎さんの沈まぬ太陽が映画化されるのですね。これは楽しみです。

映画「ディア・ドクター」を見てきました。映画監督「西川美和」さんの映画は、前作の「ゆれる」を見て大変感動し、この映画も是非みたいと思っておりました。
見る映画と言えば邦画が多く、洋画はヨーロッパ映画か、ミニシアターでのマニアックな作品程度です。少なくともハリウッドのアクションは特別な理由が無い限り退屈なので見ることはありません。VFXが毎年発達していて凄い技術だと思いますが、逆に凄すぎて非リアル感たっぷりで萎えてしまいます。昨日見てきた「劔岳」(もちろんCGは使っているとは思いますが)の自然の猛威を見ると、逆にVFXの精度が上がれば上がるほど、チープに見えるなぁと思いました。
さて、邦画を好きな理由は英語が苦手なのもありますが、日本語らしい”行間を読む”的な、台詞と台詞の間にある奥ゆかしい感覚があるからだと思っています。つまり、台詞で全て言ってしまうチープな映画に比べ、その台詞に込められたもっと深い意味であったり、出演者の立場に自分が仮になった場合にどう思うだろうか?など、映画を通してその世界に入っていけるような感覚がとても好きで、つい邦画ばかり見てしまっています。もちろん洋画にも良い映画はたくさんあり、私も好きな映画はありますが、きっと字幕を通しているからなのでしょうね、淡々と見てしまうことが多い気がします。
西川監督の映画は、前回のゆれるでも相当に考えさせられましたし、本作「ディア・ドクター」でも随分考えさせられました。笑福亭鶴瓶さんが過疎村の唯一のドクターとして登場するわけですが、いわゆる日本の現在の僻地医療の実態をベースとしたお話というものであれば、普通の映画だったと思います。この映画はその実態の紹介なんぞほんの序の口で、その後に人間ドラマ、医療とは?医者とは?人を救うとは?先生とは?など色々考えさせられる映画でした。
学校の教師も、医者も、弁護士も、代議士も”先生”と呼ばれます。goo辞書で先生を調べて見ると
(1)学問・技芸などを教える人。また、自分が教えを受けている人。師。師匠。また、特に、学校の教員。
(2)学芸に長じた人。
(3)師匠・教師・医師・弁護士・国会議員などを敬って呼ぶ語。代名詞的にも用いる。また、人名のあとに付けて敬称としても用いる。
(4)親しみやからかいの気持ちを込めて、他人をさす語。「大将」「やっこさん」に似た意で用いる。
(5)自分より先に生まれた人。年長者。
goo辞書”先生”より引用
(5)の様な”先に生きる”=先生という文字通りの言葉から、人に教える人という様な意味までたくさんありますね。
これだけInternetなどで情報が共有され、医療の分野に限らずあらゆる分野で国際学会が開かれ最先端の技術が研究・議論されている現代、最新の(医療)技術はある意味統一化されています。とはいえ医療技術の統一化は最近の事であり、少し前までは、”この葉っぱを煎じて飲ませると頭痛が治る”とか、そういう先人達の知恵みたいなものが各地方・村などにあり、それを一番よく知っている長寿のおじいさんみたいな人が尊敬され、まさに”先生”だったのかなって思います。資格社会の今、医師免許を持っているのが先生なのか、親が医者だから医学部に行った人が先生なのか、ブラックジャックみたいな技術だけ一流の人が医者なのか、この映画の笑福亭鶴瓶さんが演じているような人が先生なのか、いろいろ考えさせられました(ちょっとネタバレですが・・)
西川監督は、”ゆれる”も含め、オススメの映画監督だと思います。

映画『劔岳 点の記 -ツルギダケ テンノキ-』
ずっと見たかった映画「劔岳」を見てきました。
明治時代後半(日露戦争後)に、日本陸軍は最後の三角点を劔岳頂上に置くために向かいます。その実話をベースとした話でした。
GPS全盛の時代、三角点を用いた測位は本当に大変だと思いましたが、明治時代ですよね。凄い仕事だと思いました。
本当に素晴らしい映画でした。実話がベースというのもそうですが、ドキュメンタリータッチで感動というような場面はありませんが、淡々と描かれる事実が逆にリアル感を持って見ることができました。まずあの吹雪が凄いですし、その吹雪の中撮影した監督がすごいと思います。
もしご覧になる方がいたら、この実話を”調べずに”行った方が良いと思います。結果は知らないで見た様がよりリアル感を持って見ることができます。
浅野忠信さん、香川照之さんはじめ演技も素晴らしく、本当にのめり込んで見ることができました。
この映画の中で、浅野忠信さんの奥様役で宮崎あおいさんが出演されていますが、もうその素晴らしい大和撫子的奥様っぷりが本当に素敵でした。柄にもなく、ああいう奥様は、本当に素晴らしいなぁと思いました(笑)
もう1週間くらいで公開も終わってしまいますが、もしご興味があれば。
北野武監督の映画”Kids Return”をおそらく10年ぶり位に見ました。
私は北野監督の映画ではこの映画がぶっちぎりで好きです。
見たことが無い方にはネタバレになるので言えませんが、最後のセリフで全てひっくり返される映画です。
10年ぶりに見るともちろん映像もアナログですし、金子賢や安藤政信(新人)が若く歴史を感じますが、やはり良い映画でした。
Kids Returnに関しては何人かの知人と過去に話したことがありますが、完全に賛否両論でした。
私の様に間違いなく北野映画ではNo.1という言う人から、何が良いか全くわからないという意見まで180度違った感想を受けるようです。
Yahoo映画のKids Returnのレビューを見ても、平均点で4.4点(満点が5点)ですから、かなり高得点です。
逆に割とマニアックな映画に属するため、おそらく好きな人だけ書き込んでいるのでしょうから、自ずと点が高くなるのかなと思います。
その中でもやはり全く意味がわからないというレビューを書いている人がいるので、万人受けはしない映画なのでしょう。
映画のストーリーとしては、完全に暗い映画です。楽しく見られるものではありません。主人公の二人(金子賢と安藤政信)を始め、少年達の夢がことごとく粉砕していきます。その悲壮感が映画としては続いていくので、ここだけ見れば最悪の映画という評価になるのかもしれませんね。
私は洋画よりも圧倒的に邦画好きです。ハリウッドの火薬とCG使いまくりのドンパチ映画なんぞ全く見たくもありません。英語が苦手なのもありますが、行間が読める母国語の映画は、やっぱり良いです。日本の映画は駄作も多いですし、最近は美人ヒロインが不治の病で死んでいくお涙ちょうだい映画が多くて萎えますが、このKids Returnなり、黒沢映画なり、西川美和監督なり、素敵な邦画はたくさんあります。邦画の直接的には表現せずに、何とも言えず考えさせられる感じが好きでして、その感じを最初に受けたのがKids Returnだったのではないかなって思っています。Kids Returnの最後の言葉や、例えば黒沢監督の”八月のラプソディー”のおばあちゃんが走るシーンの”感じ”を、洋画で味わったことはありません。セリフを超えて、その間から感じられるような”感じ”がとても好きです。
暴力的なシーンもありますので、強くはオススメできませんが、あらためて良い映画だなぁと思いました。
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