11月18日(日)サントリーホールで行われたブーニンのピアノコンサートに行ってきました。
考えてみればサントリーホールは改修後初めて訪れました。どこが改修されたかわかりませんが、やはり紀尾井ホールなどに比べれば響きが良いホールであると感じました。
さて曲目。
J.S.バッハ=W.ケンプ:目覚めよと呼ぶ声あり BWV645
ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番ハ短調「悲愴」Op.13
シューマン:アラベスク Op.13
ベートーヴェン:ピアノソナタ第17番ニ短調「テンペスト」Op.31
ショパン:舟歌 Op.60
(アンコール)ショパン、マズルカとワルツ(?)かな。
最初は固い演奏でしたが、休憩を挟んだテンペストあたりからとても良い運指になってきました(失礼ですが)。ベートーヴェンのソナタも素敵でしたが、やはりショパンコンクール優勝者だけあって、舟歌とアンコールのショパンの2曲はとても素晴らしかったです。ブーニンを聞いたのはおそらく7,8年ぶりかと思います。前回はあまり気にならなかったのですが、今回ペダリング時に床を蹴る動作が多く、結構耳に付きました。ああいう弾き方と言えばそれきりですが、もう少し抑えても良いのかなと思いました。ピアニッシモにあたりの表現はさすがといった感じです。S席でアリーナ席だったのですが、位置がピアノに対して左側でしたので、音響的には若干不利な場所でした。一方で久しぶりに聞いたスタインウェイはやはり素晴らしい音がしました。音の周波数でいうと、テンペスト3楽章あたり結構40Hz付近の音が出ているように感じました。スピーカーセッティングの参考になりそうです。
さて、2時間の演奏を聴いている時にクラシック音楽についていろいろ考えていました。クラシック音楽は人類にとってのある意味究極のディジタルデータかなと思いました。私などスピーカーを作ったりするのを楽しんでいる人間としては、CDなどのディジタルデータをいかに信号のまま部屋に再現するかを目指してスピーカーを調整しているわけです。今は、マイク技術も録音技術も発展しているため、ピアニストなりアーチストの出した音を保存することができるわけですが、ベートーヴェンを始めクラシックの作曲家たちは、音ではなく楽譜というディジタルフォーマット(音が劣化しないという意味でのディジタルと表現する)で数百年を超えて音を残している訳です。今回のブーニンももちろんべートーヴェンを会ったことはありませんから、ベートーヴェンの曲に込めた思いは、楽譜というデータ以上には存在しないわけです。その解釈の違いとテクニックで現代まで演奏され音になっているわけですから、クラシック音楽はディジタルデータかなと思ったわけです。ベートーヴェンが300年後の年末に毎年第9が世界中で歌われていることを予期したかわかりませんが、今後も残っていくだろう人類のディジタルデータであるクラシック音楽をこれからも楽しんでいこうと思いました。
最近、家で聴くことが多いのは歌唱力のある女性Vocalの曲である。クラシックはちょっと前のエントリーで書いたようにこの数年は随分聴かなくなってしまった。クラシックの曲はほとんどの曲は聴いたし、好きなマエストロほど録音数が少なく、聴く数も有限でとりあえずの目処は付いてしまった。そこで最近はもっぱらJazz Vocalをはじめとした歌唱力があり、録音が良いCDばかり聴いている。
この半年は基本的にSACD(Super Audio CD)のソフトのみ購入してきた。SACDはWikipediaのリンク先などでも紹介されているように、100kHzを超える周波数領域、120dBを理論上超えるダイナミックレンジで録音できるフォーマットである。このSACDを再生するにはSACDプレーヤーが必要なのであるが、所有しているPlayStation3が再生できるため、最近はSACDを中心に購入している。
SACDに記録されている周波数領域は人間が聞こえる可聴領域を裕に超えており本当にここまでのスペックが必要であるか議論が分かれているが、私もCDとの違いを”希”に感じることはある。SACDは、CDとの互換を保つために同じディスクにSACD層とCD層をハイブリッドで構成されていることが多く、SACDとCDとの差を同じデータソースで比較することができる。世の中のブログでSACDの音質は明確に違いがあり圧倒的という記事をよく見かけるが、本音を言って私はそれほど違いを明確に聞き分けることはできないようだ。私が違いを感じるのは、可聴域以外に大幅に伸びた周波数領域よりも、ダイナミックレンジの広さで少し違うかなと思う事がある。歌唱力のあるVocalの延ばす部分などでCDでは破綻気味の部分も、SACDでは持ちこたえるような場合がたまにある。このあたりでSACDはまぁ良いかなという印象である。私がSACDを中心に購入しているのは、そのダイナミックレンジの拡大もそうなのであるが、一番には”SACDで出すアーチストはそれなりに歌唱力(録音)に自信がある”ということである。私の耳はともかく、徹底的に微細な変化を聞き分けられるオーディオマニアに対してSACD録音でヘボイ録音なぞ厳禁である。そういう意味でSACDで収録されたCDは概して良い録音が多い。
ここまで書いて今回のエントリーはSACDではなく、Corrinne Mayのタイトルにしたことを思い出した。女性Jazz Vocalを中心にSACDの録音を探し歩いている時に、シンガポールの歌姫と呼ばれているOlivia Ongという女性Vocalistを知った。ヴォサノヴァを中心に歌っている女性であり、とてもハスキーヴォイスですばらしい歌唱力である。そのOliviaを調べていたところ、多くのコメントで、”Corrinne Mayと同じレーヴェルに所属し・・”という文章を見かけた。Oliviaもすばらしいが同じレーヴェルのCorrinne Mayという女性Vocalistがとても素晴らしいということだった。
SACDの話をこれだけ解説しておきながら、Corrinne MayはSACDでの録音は発表していない。一方でiTunes Storeで公開されているので気軽に試聴することができる。
Corrinne May @ iTunes Store ←iTunesをインストールしている方はクリックすると勝手に立ち上がります。
Fly Awayなどの曲を中心に人気があるようだ。興味があればクリックして聴いてみてください。私もとても歌唱力があり綺麗な歌声であるため、最近良く聴いている。外国人Vocalistを聴くと思うのが、日本人は女性も含めてなんであんなに音程が狭くて低いのかが疑問に思う。圧倒的な歌唱力の差を聞かされると日本人という人種が問題じゃなくて、母音が5つしかない日本語に問題があるのではと勝手に思ってしまう。最近は海外育ちの日本人アーチストが多いので少し調べてみればわかるかもしれないなと思った。ちなみにCorrinne Mayは土曜日に渋谷のタワレコでライヴを行っている。
さて、Corrinne Mayの他には、先ほどのOlivia Ong, Diana Krall, Jennifer Warnes, Eden Atwood, Shirley Horn, Natalie Cole, Tierney Sutton, Ella Fitzgerald, Dianne Reeves, TiffanyなどをSACDで聴いている。同じような歌唱力が高い女性Vocalistをご存じでしたら是非ご紹介ください。
また、先日紹介した自作スピーカーおよび自作ディジタルアンプをどなたかに安く譲りたいと考えております。ご興味がある方はご連絡ください。まずCorrinne Mayをはじめいろいろな音源を聴いて頂いてお気に入り頂いたらお譲りしたいと思います。使っているユニットが良いため自作スピーカーではありますがかなり良い音が出ております。ただ大きさがやや大きいため家にあると場所を取るので譲ることにしました。お気軽にお問い合わせください(いなそうですが・・・)。ちなみに接続はiPodなどのステレオミニピンなどがあればつながりますので、iPod + ディジタルアンプ + 自作スピーカーという構成などでも鳴らすことができます。どちらにしても試聴はお気軽に。
仕事と仕事の合間に、叔母さんとピアノのコンサートに行ってきた。先日行ったのと同じ、四谷近くにある紀尾井ホール。今回のピアニストは、フランス人のジャン=イヴ・ティボーデ(Jean-Yves Thibaudet)というイケメンの男性ピアニストだった。何度かこのブログでも書いているように最近のピアニストには大変疎く、全く知らないピアニストであった。しかし多くの若い女性がスタンディング・オヴェーションで迎えていたところを見るとおそらく有名なピアニストなのであろうと思う。
曲目は
・ドビュッシー 前奏曲集第2集 Claude Debussy : Preludes Book2
・シューマン アラベスク Robert Schumann : Arabesque
・シューマン 交響的練習曲 Robert Schumann : Symphonic Etude
アンコール
・シューラ・チェルカスキーの若い頃の曲
・ショパン 夜想曲 Op.9-2
・サティ ジムノペディ
という曲目であった。先日の時も思ったが、やはり紀尾井ホールは響きが良くない。私の耳が減衰しているのかもしれないが、どうも生の臨場感が薄い。とりあえずホールの響きはおいておいて、肝心の演奏であるが大きな体からは想像できないほど、繊細な音を表現できるピアニストだと思った。交響的練習曲なんかは、かなり強い音の部分があるが、そのあたりはもちろん力強く、最後のジムノペディなんかは、本当に消えてしまいそうな、それでいて不安定ではない綺麗なピアニッシモなども豊かに表現していた。
会議を途中で抜け出し、2時間だけ聞いてまた戻るというバタバタなコンサートであったが、やはり生のピアノを聞くのはとてもリラックスでき、無理してでも行って良かった。また、最近家のオーディオをいろいろ調整しているが、ライブを聴くと、家のセッティングが過剰になっているのではないかと考えさせられた。もしかしたら響きがイマイチと感じたのも、家の音響を攻めすぎているのかもしれないなと思った。そういう意味でも今夜のコンサートは収穫が多かった。
叔母から誘われFazil Say(ファジル・サイ)というピアニストのコンサートに行ってきた。
ファジル・サイ fazil say
「シャコンヌ」~サイ・プレイズ・クラシック~
7月9日(月)19時開演 紀尾井ホール
J.S. バッハ・ブゾーニ編曲:シャコンヌ BWV1004
ハイドン:ピアノ・ソナタ ハ長調 Hob.XVI-35
モーツァルト:「ああ、お母さん聞いて」による12の変奏曲ハ長調 K.265(きらきら星変奏曲)
ベートーヴェン:
・ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調 Op.31-2 テンペスト
・ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 Op.57 熱情
アンコール:
ファジル・サイ:Black Earth
他・・・
http://www.avexnet.or.jp/classics/artist/fazil/
私の好きなバッハ作曲・ブゾーニ編曲のシャコンヌを演奏するということで、とても楽しみにしていた。ファジル・サイというピアニストは、トルコ出身で、いわゆるクラシックピアノだけでなく、Jazz風に弾いてみたり、自身の曲を演奏するなり、いってみれば現代風(?)の演奏家のようである。Avexがエージェントになっているらしく、MAX松浦氏の花束が置いてあり、マークパンサー氏を始め芸能人も何人か聴いていたようだ。
さて、演奏の感想であるが、このブログでも紹介しているようにアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリのシャコンヌを聴きまくっているため、どうしてもシャコンヌに関しては比較して聴いてしまう傾向が自分の中にある。しかし今回の演奏は何とも比較が難しかった。1曲目のためかミスタッチがかなり目立ち、それが解釈なのかミスタッチなのかどうにも判断が難しくなんとも言えない感想というのが本音のところである。アルフレッド・コルトーやディヌ・リパッティなどをこよなく愛しているため、ミスタッチはあまり気にしない性格なのだが、今回のシャコンヌばかりはどうしても気になってしまった。2曲目以降、特に公演後半では極めてテクニックフルな演奏だったので、最後の方でシャコンヌを是非聴きたかった。
さてアンコールに、ファジル・サイ自身の作曲した[Black Earth]という曲が演奏された。ピアノの弦を手で押さえて打鍵することで、トルコ音楽風?の楽器のような音を出したり、いろいろ独創的な曲であった。
Black Earth @ Youtube.
本当に久しぶりの紀尾井ホールでのコンサートだった。昔はすばらしいホールだなぁ・・・と思った記憶があるが、昨日はあまり良いホールだと感じなかった。ピアノの正面に座っているにも関わらずあまり響きが良くない。海外の歴史のあるコンサートホールなどと比べると何とも現代建築技術を使って作ったという感じでエレガントさを感じない。休憩中のカフェも2Fで足の悪い叔母には結構つらい構造で、その辺もイマイチという感じであった。
平日2時間くらいこうやってクラシックを聴きに行くのはとても気分が良いもので、リラックスした良い時間を過ごせた。
少し前のエントリー(Michelangeli’s Mozart Piano Concertos Nos.20 & 25)を書いて以来、クラシック熱が数年ぶりに再燃している。このGWもプログラム三昧であったが、プログラミングという退屈な時間もクラシックにより随分満たされた。何せこの5,6年クラシックのCDを追っかけていなかったものだから、Amazon, HMVのウェブサイトを見ているだけでもワクワクする(残念ながら大きなCDショップには行っていない)。その中から見つけたCDを紹介。クラシックに興味がなければ、極めて退屈なエントリーである。

ピアノ協奏曲選集 カサドシュ、セル&クリーヴランド管、コロンビア響(3CD)@HMV
なんというのか、こんな名盤がCD化されているとは・・・といった感じである。モーツァルトのピアノ協奏曲は個人的にかなり好きな曲集で、ベタではあるが特に20番台は特に好んで聞いている。クララ・ハスキル、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリなどのマエストロも大好きであるが、何せ高校の時にもっとも聞き込んだのは、ロベール・カザドシュ(Robert Casaadesus)である。高校の担任から借りたLP盤をカセットテープにダビングしてエンドレスに聞きまくった。大学のために上京後、このLP盤がCD化されないかいつもお店を見回っていた。そして、どうやら昨年2006年9月20日にCD化されたようである。いやはや、この50年前の名演を2006年という最近になってCD化されたことは何とも嬉しい限りである。
カザドシュに関しては、極めて詳しい方がウェブなどで公開されているのでそちらに譲りたい(下手な事を書いて恥をかきたくない(笑))
Robert Casadesus
ロベール・カサドシュ – Wikipedia
上記の3枚組CDには、モーツァルトのピアノ協奏曲として、21,22,23,24番が入っている。私の記憶では25番は録音されておらず(あるかもしれない・・)。26番(戴冠式)、27番は、
Piano Concerto.24, 27: Casadesus(P), Sezll, Barbirolli / Nyp
ピアノ協奏曲第21番、第26番 カサドシュ(p)セル&クリーヴランド管、コロンビア響
この2枚を別に買えばCDで聞くことができる。それにしても1枚800円とかいう値段は、消費者にとっては喜ばしいものだが、あの名演が安すぎる!という悲しい気持ちも湧いてくる。ハスキルのような優しい、女性らしいピアノではなく、ミケランジェリのような鋭く繊細なピアノではなく、堅実、実直なしっかりとしたカサドシュのピアノも是非聴いて欲しい。
また、オーマンディ指揮による協奏曲選集もあるようだ
モーツァルト:ピアノ協奏曲選集
ジョージ・セル指揮のものしか聴いたことがなかったので、近々聴いてみようと思っている。
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